新日鐵住金の厳しい船出 旧2社で純損失3104億円

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旧新日本製鐵と旧住友金属工業が10月に合併して誕生した新日鐵住金。粗鋼生産量でアルセロール・ミタルに次ぐ世界2位の鉄鋼メーカーに躍り出た、巨艦の直近業績がまとまった。

11月9日に発表された旧新日鉄の今上期(12年4~9月期)業績は、売上高1兆9182億円(前年同期比5.4%減)、営業損失26億円(前年同期は644億円の営業黒字)、経常利益195億円(前年同期比79.3%減)、純損失1766億円(前年同期は487億円の最終黒字)だった。

一方、旧住金の今上期は、売上高6936億円(前年同期比0.2%増)、営業利益157億円(同61.8%減)、経常利益108億円(同73.9%減)、純損失1338億円(前年同期は323億円の最終損失)だった。

両社を単純合算すると売上高は2兆6118億円、営業利益131億円、経常利益303億円、純損失3105億円となる。

市況軟化や原料価格下落が響く

今上期の旧2社合わせての生産出荷量は、前下期に比べてわずかに増加したが、東アジアにおける市況軟化や、原料価格下落による在庫評価損の発生が響き、収益面では厳しかった。また、製鉄所の減損処理などによって、旧新日鉄が2579億円、旧住金が1456億円の特別損失を計上したことから、大幅な純損失となった。

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