新日鉄・住金の憂鬱、合併直前に大赤字、中韓の増産攻勢で厳しい前途
10月に合併する新日本製鉄と住友金属工業の業績が悪化している。両社は2012年4~9月期に合計2400億円の特別損失を計上する、と発表した。
新日鉄は収益性が悪化した広畑製鉄所(兵庫県姫路市)と堺製鉄所(堺市)について、資産価値を引き下げる1200億円の減損処理を実施。住金も和歌山製鉄所(和歌山市)の高炉設備などを対象に1200億円の減損処理を行う。新日鉄が事業用資産の減損処理を実施するのは初めて。4~9月期の最終損益は新日鉄が1550億円の赤字、住金が1280億円の赤字になる予定だ。
厳しいのは両社だけではない。直近の7~9月期は高炉メーカーがそろって赤字になる見通しだ(図)。野村証券の松本裕司シニアアナリストは、「減損は厳しい収益環境を反映したもの。中国の供給過剰などでアジア市況の悪化がきつい」と指摘する。
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