熊本地震、観光地は「風評被害」と戦っている

湯布院温泉がSNSで大量の情報を発信

地元紙・大分合同新聞は由布院温泉の現状を伝えるべく「旅館主や観光業者たちからのひとこと」をまとめたビデオクリップを制作した (c)大分合同新聞

「観光にベストシーズンの九州をドライブしたいのだけれど、どの道が通れるのか全然わかりません。どうしたらいいのでしょうか……」と嘆く、シンガポールのタンさん(仮名)。彼女は来月、鹿児島から大分に向けてレンタカーで旅行する予定だが、テレビで見た地震の被害状況が気になって連絡してきた。

こういった質問にもしっかりと対応。「現地に出かける前からこんなに素敵なホスピタリティを感じるとは! 湯布院に行くのが待ち遠しい」との返事が来るなど、着実な成果をあげている。中国語では、繁体字ページを中心に台湾からのアクセスが増えており、地震の被害を憂う「哈日族(日本が好きな台湾人の若者)」たちの注目を徐々に集めている。

Facebookなどへの書き込みを「善意やボランティア」で支えるのは難しいことかもしれない。ところが実際に湯布院温泉の人々にヒアリングしたところ、「Facebookを使って、自分の旅館の状況を日本中だけでなく、世界に知らせることができるのならぜひやってみたい」と地震の後に初めてアカウントを開いた旅館主もいたという。

「風評被害が怖い」と怯えていてはダメ

つまり「風評被害が怖い」と怯えているのではなく、積極的に情報発信を進めようと立ち上がる人が着実に増えていることは特筆すべきだろう。筆者が改めて述べるまでもなく、「大災害発生後のマスコミ主導による風評被害」は依然として後を絶たないようだ。それを関係者自ら大勢で一気に現状を発信することで「悪い評判やうわさを打破しよう」という動きは参考にすべき行動ではないだろうか。

大災害発生の時には「メールや電話よりもSNSが有効だ」という話をよく聞く。しかし、SNSは被災してしまった後にも「正しい現状を伝えるツール」としても大きな武器となることを改めて認識しておこう。

最後に、今回の地震で被災された方々に対し、心からお見舞いを申し上げるとともに、1日も早い復興・復旧をお祈りしたい。

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