iPhone減産でも、永守社長が「強気」な理由

日本電産はどう最高益更新を目指すのか

厳しい状況のはずだが、永守社長は強気な姿勢を崩さなかった。2016年度の業績予想は、売上高が1兆2500億円(前期比6.1%増)、営業利益1300億円(同4.4%増)と、為替が円高にふれたことによるマイナス影響を織り込んでも、過去最高を再度更新する見込みだ。

さらに、設備投資も2015年度の819億円から1100億円へと大きく増加させる。「今後数年、1000億円以上の設備投資が続く」と永守社長は息巻く。

成長を支えるのは、日本電産がかねてより重点2事業と位置づけてきた、「車載」と「家電・商業・産業用」の製品だ。2020年には、M&Aがなくても、2事業で売上高1兆円を達成することが確実になってきたという。「ハプティックみたいな変動の激しいビジネスはしょせん水物ですわな」(永守社長)。

中でも成長著しいのが、車載用部品だ。日本電産は、電動パワーステアリング用の車載用モーターや、電子制御ユニット(ECU)関連の製品などを扱う。2020年まで受注が確定しており、今後は設備投資を強化し、生産能力の拡充に取り組むという。

シャープの技術者が押し寄せる?

鴻海による買収が決まったシャープ。同社の社員流出は日本電産にとって追い風だった

受注だけではない。優秀な技術者が続々と日本電産に集まっていることも追い風だ。永守社長が「カラスが鳴かない日はあっても、面接をしない日はない」というように、転職を希望する技術者たちが連日押し寄せている。鴻海精密工業傘下に入ったシャープ出身の技術者など、優秀な人材が日本電産に集まっており、IoT分野などで活躍しているという。

これまで日本電産の収益を牽引してきたのは、パソコンに搭載されるHDD向けのモーターだった。だが、SSDへの代替やパソコンの需要停滞を受けて、市場そのものが縮小していくと見込まれており、新たな収益基盤を確立することは長年の課題。永守社長も「一日も早く(決算説明会で)HDDの質問が出ないようにしたい」と語った。

iPhoneの減産や円高など電子部品業界全体に逆風が吹く中、これらをはねのける強い経営基盤を作れるか。永守社長の強気の真価が問われる。

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