調達多様化で価格交渉力向上狙う東京ガス 米国シェール革命と日本 《3》

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--LNGの供給元の多様化で目指す形は。

つねに十数カ所のプロジェクトから調達するというのが理想的だろう。地域・数量のリスクを分散し、ポートフォリオを形成するのが基本戦略。特定地域に過度に依存せず、政情の安定した複数の地域から長期契約で購入しており、現時点では6カ国、11プロジェクトに分散している。東南アジアと豪州が主体であり、中東比率はわずか3%にすぎない(カタールのみ)。「ホルムズ海峡リスク」は小さい。また、在来型ガス、非在来型ガスの中から最適なプロジェクトと契約している。

 

 

■米国政府による輸出許可が前提、将来の許可凍結にも警戒感

--北米のシェールガス革命に参画することで、いかに安く天然ガスを調達できるかが日本全体にとっても最大の関心事ですが、どこまで実現できるでしょうか。

現段階では定量的に言えないが、可能なかぎり取り組んでいく。仮に今、米国からヘンリー・ハブ価格で輸入できたとすれば、米国内の天然ガス価格3ドル(100万英国熱量単位当たり)に液化、輸送コストを足して10ドル程度となる。現状の輸入価格16~17ドルと比べても相当安い。北米からの輸入量にもよるが、輸入分だけ調達価格の平均が下がることになる。

 

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