調達多様化で価格交渉力向上狙う東京ガス 米国シェール革命と日本 《3》
--現状の輸入先である国々(マレーシアや豪州など)との、原油価格リンクでのLNG輸入契約見直しの余地は。
(東京ガスを含め)日本の買い主の動向に関しては、彼らも不安に感じている部分はあるだろう。北米のヘンリー・ハブ連動のLNGが実際に日本へ入ってくれば、売り主に対する値下げ圧力が強まるだろうとの危機感はあると思われる。ただ現段階においては、そうしたそぶりは交渉上不利になるのでいっさい見せない。
買い主としてはまず実績が必要。当社に限らず、日本の買い主のどこかで実績が出れば、ほかの会社にも影響をもたらしてくれるだろう。
--日本のLNGの買い主では最大手が東京電力で、次が東京ガス。これまで輸入価格の抑制で努力不足だったという声もあるが。
当社の商材は天然ガスしかない。第一に重視しているのは、顧客への安定供給。それがなければ顧客からの信頼は得られない。次に価格。そこに関しては従前から危機感を持って対応してきたつもりだ。代替の原料がないため、天然ガスの値段を下げないかぎり、顧客から選択されない。