震災で人命を救うスマホとSNSの巨大潜在力 災害に勝つために「スマホ力」を鍛えておこう

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そしてもう1つ重要なのはスマホ本体。私のスマホは見てのとおりデカいです。一般的に画面サイズの大きいスマホは大容量のバッテリーを積んでいますので、ふつうのスマホより長く使えることが多いのです。だから私は常に大きいサイズのスマホを選んでいます。

ここまでが、緊急時でもネットを使い続けるため、私たちがいまできる備えです。あとはそのネットをどう活かすのか、そして飛び交う情報にどう対処するか、です。

ネット上のデマにどう対峙すれば良いか

現在ネット上で散見される地震関連デマは、以下のようなものです。

「熊本の××で火災発生」
「〇〇原発で事故」
「△日に地震が起きる」
「次は〇〇地方が危ない」

 

いずれも根拠の記載がなく、科学的な観点からウソとわかるものもありますが、一部はテレビニュースで速報として流れるなどしており、悪ふざけの範疇を超えています。

ひどいものでは「熊本の動物園からライオンが逃げ出した」という書き込みもありました。多くは若い世代によるイタズラなのですが、これらの行為がどれだけの人々に迷惑をかけ、場合によっては処罰の対象になりうる行為であることを、私たち大人が、いま一度しっかりと伝えなければいけないと感じています。

これらのデマでつらい思いや恐怖を感じているのも、また子供たちです。私のツイッターにも、九州地方の中学生から「〇〇という情報は本当ですか?」という相談メッセージが来ました。心配している子供には「こういうデマを流すヤツはアホだね、中身もウソだから気にしなくて良いよ」と、ぜひ声をかけてあげて下さい。

今なお、多くの方が大変な状況におかれています。一刻も早く日常を取り戻せるよう願っています。

小木曽 健 国際大学GLOCOM客員研究員

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おぎそ けん / Ken Ogiso

1973年生まれ、埼玉県出身。複数のITベンチャーを経て現職。書籍や講演、メディア出演などを通じて「ネットで絶対に失敗しない方法」やネットリテラシーに関する情報発信を幅広くおこなっている。これまでに企業、学校、官公庁などで2000回以上、のべ40万人に講演。著書に『11歳からの正しく怖がるインターネット』(晶文社)、『ネットで勝つ情報リテラシー』『大人を黙らせるインターネットの歩き方』(筑摩書房)、監修に『13歳からの「ネットのルール」』(メイツ出版)他多数。

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