そしてこの出来事は、単にSNSがあったから起こせたという単純なものではありませんでした。多くの人たちの機転、生きるという強い意思に加え、この出来事を成立させるためにどうしても欠かせない3つの要素があったのです。
まず情報を伝えるための「手段」。気仙沼からはメールが送信されました。ですが残念ながら、大規模災害ではメールや携帯通話がほぼ機能しないことを、すでに多くの人たちが体験しています。
東日本大震災では、携帯電話がほとんど使えませんでした。大量の通話が交換機に集中する「輻輳」で通話網がダウンすることを避けるため、都心部を中心にシステムが着信制限モードに切り替えられたのです。
携帯メールもサーバーの処理能力を超え、ほとんど送れない状況でした。気仙沼の公民館からメールが送信できたことは、地域的な要因もありますが、非常に幸運だったと言えます。
「プランB」も検討しておこう
「今は当時と違って、SNSやチャットもあるから大丈夫だろう」、そう思われる方も多いでしょう。実際、日本では東日本大震災をきっかけに、Facebookやツイッターのユーザーが急増しました。また当時の教訓からLINEの開発が始まったというのは有名な話です。
確かにSNSやチャットは、音声通話や携帯メールよりも通信の集中負荷に強いのですが、もしまた東日本大震災レベルの大規模災害が発生したら、数千万人が一斉に利用することになるのです。
果たして何が起きるのか、まだ誰にもわかりません。万が一に備えて「プランB」も検討しておきましょう。
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