被災者ケアだけでなく「支援者ケア」も重要だ 支援者は自分自身を守る方法を心得ておこう
これらを理解することで、支援者は自分に起きているストレス反応を客観的に判断することができ、自身の限界の見極めが可能となる。
コーピングとはストレス対処方法のこと。自分がリラックスできる方法を確認しておくことで、ストレスに立ち向かうことができる。また特に「空腹・怒り・孤独感・疲れ」を感じた時には、それを認識し適切に対処する。深呼吸、ストレッチなどさまざまなセルフケア方法を頭に入れておくことは有効だ。それでもすべてを変えることはできない。時にはノーと言う勇気を持とう。
桃太郎タイプ?浦島太郎タイプ?
ところであなたは桃太郎の話と浦島太郎の話、どちらが好きだろう。
桃太郎は犬、サル、キジを家来にし、鬼退治をして宝物をゲットし、最後は幸せに暮らすという、ある種の筋が通った話である。一方の浦島太郎はカメの背中にまたがり竜宮城に行き、気づけば3年が経過、「時」の玉手箱を持たされ地上に戻ると700年後だったという、自由なストーリー展開だ。ゆえに、桃太郎の話が好きな人は生真面目で曲がったことが嫌いなタイプ、浦島太郎の話が好きな人は状況変化を楽しめるタイプと言われている。
被災者支援とは、自分の予測やコントロール不可能な要素が多分に含まれる。環境がそうだし、援助の考え方や手法が異なる人と活動を共にすることも多い。善意が通じないことや、良かれと思って取った行動を拒否されることも当然ある。特に桃太郎タイプの人は頑張りすぎず、抱え込み過ぎないこと。自分の身体と心の状態を正確に把握し、ストレスや疲労に適宜対応・確認しながら進めよう。
自分の境界線を理解し、それを維持するためのセルフケアが支援者には何より大切だ。心理的支援に関するマニュアル『サイコロジカル・ファーストエイド実施の手引き 第2版(日本語版作成:兵庫県こころのケアセンター)』もあるので、参考にしてほしい。
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