不動産屋の「イチオシ物件」に隠された真実

仲介会社が躍起になる「両手取引」の実態

ここまでの内容で、不動産会社にとってどのような物件を売買すればいちばん儲かるか、おわかりになった方も多いでしょう。

皆さんがマイホームを探す際にかかわる不動産会社は、「仲介会社」である場合がほとんどです。この「仲介会社」の心理、「営業マン」の心理を考えると、どうしても1度の取引で受け取る「仲介手数料」が2倍である「両手取引」を優先したくなると思いませんか?

どんな場合が怪しい?

ここで、「不動産屋さんのおススメ物件」がもしかすると、自社の利益を第一に考えたものではないのか?という疑問が浮かび上がってくるわけです。

たとえば、営業マンが特定の物件にだけやたらと商品知識がある場合。

通常、不動産の営業マンはさまざまな会社の物件を紹介しますので、一つひとつの物件がどんな性能を有していて、どんなメリットがあるのか、またデメリットが何かといった内容について、そこまで詳細を把握していない場合がほとんどです。

ところが、“ぜひ売りたい物件”に関しては「そんなことまで」と思うような細部に至るまで知っていたりするものです。場合によっては、その本命となる“売りたい物件”に誘導するように、物件を見学する順番も仕組まれているかもしれません。いろいろな物件に対して知識を持っている場合は別として、限られた物件にだけ豊富な知識がある場合は、注意をしたほうがいいかもしれないのです。

この傾向が出るのが新築住宅です。

マンションを思い浮かべるとわかりやすいと思いますが、新築住宅では、まず不動産会社が土地を取得し、建物を建設して販売します。そのとき、直接、お客様へ販売することは少なく、ほとんどの場合「仲介会社」に販売協力を仰ぎます。

インターネット広告や新聞折り込みチラシ、ポスティングという手法でお客様へ情報提供するわけです。そして、それを見たお客様からの問い合わせに対応し、物件をお勧めすることになります。したがって新築住宅の多くで、仲介会社は売主と買主の両方から手数料を受け取る「両手取引」になるのです。

日本における1年間の不動産取引のうち、新築が占める割合は約85%。中古住宅は15%弱にすぎません。これは、新築割合が米国で約10%、英国が12%と比較して、著しく新築住宅に偏った市場です。現在、国土交通省では、日本における不動産取引市場を欧米にならい中古住宅市場を活性化させるべくさまざまな施策を講じていますが、これまでの状況をみると、この「両手取引」も市場の取引のほとんどが新築であったことによって生まれた弊害とも言えるでしょう。

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