ヤクルト真中監督「開き直れないから負ける」 部下に「本当の意見」を言わせる空気を作れ

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ヤクルトスワローズの真中満監督
就任1年目で、低迷していたヤクルトスワローズをセ・リーグ覇者に導いた真中満監督が明かすビジネスと野球の采配における共通点。それに迫る連載企画「真中流マネジメント」が、エンターテイメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」で掲載されている(第2・4金曜日更新)。執筆するのは元プロ野球・横浜ベイスターズ選手の高森勇旗氏。アルファポリスビジネス編集部とのコラボにより、(第1回 強いチーム作りは「自主性」のマネジメントから)に続く第2回を東洋経済オンラインでもお届けしよう。

監督就任からキャンプに向けて、チームの土台を整えていきました。投手を中心とした守りにフォーカスすること。プラスアルファにトライして、新たな可能性を見つけること。そして、自主性。最後までグラウンドに残って練習をするのが美徳とされている古い風習を撤廃し、自分の考えで練習する。すべては「負けグセ」を消し去り、勝つ喜びを手に入れるために。そんな方向性で2015年シーズンはスタートしました。

アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

しかし、そんな準備だけで最下位だったチームが勝ち続けられるほど、勝負の世界は甘くありません。シーズンがはじまると、やはり負けグセが顔を見せ始めます。

2015年5月4日のベイスターズ3連戦での3連敗に続き、ドラゴンズ戦で2敗と連敗を止めることができず、続く阪神戦でも2敗、そして2015年5月16日には巨人との3連戦の第2戦まで負け続け9連敗を記録してしまうという事態になってしまった。

「大丈夫、大丈夫」とひたすら言い続けた

連敗が続くと、まるでこれからずっと勝てないかのような雰囲気になるんです。私としては、「まだ5月じゃん、シーズンはこれからも続いていくんだから、なんとかなるだろ」という気持ちでしたから、ひたすらそれを口から出していましたね。大丈夫、大丈夫、と、ひたすら言い続けることです。これは決して何かの救いを求めるように言っていたわけではなく、本心で大丈夫だと思っていました。

ただ大丈夫というわけではなく、「今日の試合は、先発が早々に崩れて追いつけなかっただけで、つまらないミスをして負けたわけじゃない。だから、大丈夫」という風に、具体的に何が大丈夫なのかを伝えていました。監督がいつも大丈夫、大丈夫と言っているから、「まぁ監督が大丈夫と言っているから、なんとかなるのかもしれないね」という感じで、その言葉が徐々に浸透していったのだと思います。

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