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理解度に合わせてAIが学習支援、スタートアップ企業も参入して激変する教育現場の学びの形

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世界で1万校以上の学校で採用されている教育向け生成AIツール「マジックスクール」 (筆者撮影)
生成AIの登場に加えて、金融引き締めによる資金調達の難しさ、人材獲得競争の激化……スタートアップをめぐる環境は大きく変化している。連載「すごいベンチャー」では、そうしたスタートアップの最新情報を定期的に発信していく。
今回は、カルフォルニアに在住するベンチャーキャピタル・WiLの小松原威パートナーに、シリコンバレーのスタートアップなどの動向についてリポートしてもらった。

理解度に合わせてAIチューターが学習支援

AIの活用により、教育現場で学びの形が変わりつつある。

教室で教師が黒板に書いた内容を生徒たちが一斉にノートに写す光景は、やがて過去のものになるだろう。AIによって生徒一人一人に個別最適化されたデジタル教材を使い、それぞれの理解度に合わせてAIチューターがリアルタイムに学習支援する時代に移り始めているからだ。

同時に紙の採点や保護者への連絡といった煩雑な事務作業もAIで効率化され、教師の負担を減らすことが可能になる。教師の役割も知識の伝達者からメンターとしての役割に変わっていくだろう。デジタルとAIの力で、世界中の誰もが個別最適化された質の高い教育を受けられる時代が近づいてきている。

実証例も出ている。2024年に世界銀行が実施したナイジェリアのプロジェクトでは、高校生向けに生成AIを組み込んだ英語のアフタースクールプログラムを6週間実施したところ、従来授業の2年間分に相当する学力の向上が確認された。教師が適切にAIを活用できるよう生徒をサポートしたことが成功につながった。さらに、出席日数が多いほど効果が伸びたという。

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