有料会員限定

チョコレートも日本酒も熟成チーズも”あっという間”に完成!日本ハイドロパウテックが独自開発した「加水分解技術」の潜在力

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
日本ハイドロパウテックの熊澤正純社長(中央)は独自開発した加水分解技術を磨き上げることで食品業界に革新をもたらそうとしている(写真:日本ハイドロパウテック)

食品加工を行う上で時間がかかる発酵や醸造といった工程を、極めて短時間にこなす技術を提供するベンチャー企業がある。新潟県長岡市に本拠を置く日本ハイドロパウテックだ。

同社は2014年に創業。独自の加水分解技術を開発し、あらゆる有機素材を思い通りの微粒子に加工する”パウダーテック”企業として注目を集めている。2022年以降、ベンチャーキャピタルから複数回にわたって資金調達を実施。直近では2024年11月にインスパイア・インベストメント傘下のファンドから約4億円の資金調達を行った。

<基本データ>
[社 名]日本ハイドロパウテック
[設 立]2014年4月
[資本金]2.9億円
[社員数]15人/25人
[代表者名]熊澤正純
[所在地]新潟県長岡市

「社員数」は左側が正社員の数、右側は役員(社外含む)と顧問を含んだ数。

全く新しいチョコレート

同社の技術は何が優れているのか。その答えをわかりやすく示すために2024年にシンガポールで立ち上げたのが「ANY1 CHOCO(エニワンチョコ)」というチョコレートブランドだ。

シンガポールで立ち上げた「ANY1 CHOCO(エニワンチョコ)」。日本国内でも購入可能だ(写真:日本ハイドロパウテック)

チョコレートは、原料であるカカオを採取し、最終的にチョコレート加工品に生まれ変わるまでの生産工程に長い時間のかかる食品だが、そこに技術革新を持ち込むことで、圧倒的な時短を実現。新しいチョコレートを生み出し、技術的な優位性や適応範囲の広さをアピールしている。

チョコレートは、生産工程に長い時間が必要だ。カカオの実から種を取り出し、果実とともにバナナの皮で包んで発酵。乾燥させて作ったカカオ豆をローストし、殻を破砕して中身(カカオニブ)を取り出す。

次ページ1日未満で作れる技術
関連記事
トピックボードAD