「牛角」買収のコロワイド社長に真意を直撃--「外食の“ユニクロ”を目指す」
--レックスは11年12月期決算で141億円の債務超過。売上高も06年12月期の1618億円から、11年12月期は半分以下の746億円まで縮小している。
レックスを連結で見ると巨額の債務超過だが、外食事業はしっかり利益を稼いでいる。事業会社のレインズインターナショナルや物流のコスト・イズは利益率が高いピカピカの会社だ。簡単に言うと財務内容を改善すればレックスグループは優良企業になれる。
レックスの問題点は財務内容が落ち込んでいただけ。理由もはっきりしていて、外食事業の不振から来ているのではない。MBO(経営陣による買収)により毎期20億円ののれんを計上したことに加え、メザニンローン(融資と出資の中間の方法を採る融資方法)が残っており、多額の金利負担もあった。こうしたMBOの弊害に加え、コンビニ「am/pm」の売却損も財務上の重しとなっていた。
「am/pm」以外にもスーパー「成城石井」を抱え、こうした外食以外の事業を整理しないと資本政策はできなかった。09年にコンビニ、11年にスーパーを売却し、最後に残った外食産業を自主独立で行くのか、新たな親会社を探すのかということになった。
--今回の買収のスキームは?
ファンドが持ち株を売っていないため買収ではない。コロワイドがレックスに資本参加して、子会社化する。今回の話は今年2月末から動き出した。特にレックスには株主や外資系の債権者などさまざまなステークホルダーがいて、状況は複雑だった。
投じる総額は137億円という理解でよい。金融機関からレックス向けの貸付債権をディスカウント価格(137億円)で取得する。いくらの債権を買ったかは、金融機関のプライドもあるので言えない。債権をディスカウント価格で買ってきて、デット・エクイティ・スワップ(DES)をする。債権免除益で債務超過をバーンと解消、資本を現物出資で入れるので百数十億円の純資産ができる。