JFEがホットプレス用鋼板に参入、酸化防止被覆鋼板「JAG」を開発へ

JFEがホットプレス用鋼板に参入、酸化防止被覆鋼板「JAG」を開発へ

JFEホールディングス傘下で国内2位の高炉メーカーであるJFEスチールは、自動車用高張力鋼板(ハイテン)でホットプレス用鋼板への参入を決めた。同社は9月13日、耐酸化性および耐食性に優れた酸化防止被覆鋼板「JAG」(写真イメージ)を開発したと発表。これまで冷間プレス用に出していた自動車用高張力鋼板の中でも、今後需要増が見込まれるホットプレス用を強化していく構えだ。

JFEスチールが今回発表したのは、ホットプレス用酸化防止皮膜鋼板「JAG」(JFE Advanced Guard)。加熱時間が10秒程度でも加工が始められ、2~3分程度必要だった高温加熱保持も不要なため、全体平均で5~6分かかる既存のホットプレス用鋼板に比べ作業時間が大幅に短縮できる。このため顧客メーカーの生産性向上につながるという。

加熱しながら加工するホットプレス用鋼板は欧米では一般的だが、日本では冷間プレス用鋼板が主流だった。自動車部品メーカーなどにホットプレス設備の導入が必要となるだけに、既存のプレス機で使える鋼板が好まれた。日本の高炉各社による開発努力もあり、冷間でも加工可能なハイテン化は進んでおり、980MPa(メガパスカル=引っ張り強度の単位)や1180MPaまで加工できるようになってきた。

ただ、軽量化ニーズが高まるなかで、さらなる強度と加工性を求める場合、ホットプレスも必要となってきた。今回の「JAG」では、母材は460MPaと軟らかいが、加熱して加工後に冷却すると1500MPa以上の強度が得られるという。より高い強度が求められるセンターピラーなど自動車の構造骨格材での採用を狙う。

JAGの製造は、西日本製鉄所の福山地区でとなりそうだが、まだ開発したばかりで、出荷開始時期は未定。今後の自動車各社の採用次第で、具体的な計画数字はないが、軽量化が進む次世代車の新モデルでの採用が期待されるところだ。

(山内 哲夫 =東洋経済オンライン)

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