「中国リスク」徹底検証

対立長期化に備えよ

尖閣諸島はわが国固有の領土であり、そこに「領土問題」は存在しないというのが日本の立場だ。少なくともそれを撤回させようというのが中国側の狙いであり、その実現までは圧力をかけ続ける可能性が高い。

現在、尖閣近海では海上保安庁の巡視船と中国の海洋監視船などが至近距離で牽制し合っている。100メートルほどまで接近することもあり、いつ衝突してもおかしくない。

10月20日には東シナ海で中国海軍が、衝突事故を起こした中国公船を救助するという演習を行った。「これは、尖閣周辺で日本側との衝突があれば海軍が出ていくという意思表示だ」(中国政府系シンクタンクの研究員)。波高い初冬の東シナ海で、日中のチキンレースが今も続く。

中国側の指導者が変われば事態が好転するというのは、期待薄だ。北京では、共産党トップの総書記に就任することが確実な習近平氏に、すでに実質的な権限が移行しているとの見方が強まっている。

予兆はある。たとえば胡錦濤主席の腹心といわれ、2007年から政府中枢の中央弁公庁主任を務めてきた令計画氏が9月に交代。習氏に近い栗戦書氏がその地位を引き継いだ。

前出の日中関係筋が語る。「10月15日付の人民日報では、ある党内キャンペーンについて胡氏と習氏が指示を下した、と二人の名前が併記されていた。これは異例のことで、すでに主導権が胡氏から習氏に移った可能性がある」。

もしそうであれば、指導者の交代があったとしても、対日方針に大きな変更はない。そう覚悟しておいたほうがいいだろう。中国側は、あくまで日本の妥協を引き出すべく強硬路線で臨む可能性が高い。

温家宝首相ファミリーの蓄財ぶりが米紙で報じられるなど、北京では党大会直前でも熾烈な権力闘争が展開されている模様だ。今後の流れも予断を許さない。

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