トヨタが雇った再建屋は日立出身のセールスマン 名古屋グランパスGM・久米一正【下】

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グランパスはJリーグの順位こそ“万年中位”だが、資金力では日本トップ級。優勝するポテンシャルを十分に秘めている。GMとして、これほど再建しがいのあるクラブはないだろう。

まず久米の目に留まったのが、給与評価システムの不透明さだ。評価基準がはっきりとしていないため、12月下旬の契約交渉は毎年難航し、越年する選手が続出していた。

そこで久米は自らのGMマニュアルを基に、誰もが納得のいく給与評価システムを導入した。

「これは、日立の人事考課システムを参考にしたものです。試合の出場時間、貢献度、練習の取り組み方、チームのイメージアップ、日本代表なのかどうかなど、約200項目のデータベースを作り、その数値から選手をS、A、B……とランク付けする。それをパワーポイントでグラフ化し、選手の評価が一目でわかるようにしました。公平で平等な査定システムがあれば、選手たちの不満はぐっと少なくなる。これのおかげで、昨年の契約交渉はすべて12月20日に終わった。グランパスのスタッフは『越年がゼロなんて信じられない!』と驚いていましたよ」

また、選手の能力を最大限引き出すために、久米は営業時代に培った巧みな話術で選手たちをおだてた。

その代表例が、玉田圭司だ。

玉田は06年のW杯に出場したものの、ケガや不調に悩まされ1年以上も代表から遠ざかっていた。久米はGMになると、すぐに玉田を呼び出して言った。

「俺と付き合うかぎりは、絶対におまえを代表に戻すからな。おまえにはその器がある」

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