このように、SNSなどにより交流範囲が広がる中で、知り合ったばかりの人との「共通点」をドレスによって作ることで、一体感を感じながら誕生日を祝うことを楽しむ若者が増えている。
サプライズ疲れする人も
上記に記載したサプライズ事例のように、比較的に手間のかかるサプライズ事例が増加しているが、それとは真逆の『手抜きサプライズ』も徐々に多くなってきているように見える。
以下では2つの事例を紹介していく。
現在、都内の私立大学の3年生のエミさん。彼女は、大学の音楽サークルに所属し、アルバイトを飲食店で勤務をしている、ごく普通の大学生である。
そんな彼女は、21歳の誕生日の時に『手抜きサプライズ』を受けたひとりである。その時の様子について、彼女に尋ねてみると、
「誕生日の日に、大学の食堂でご飯を食べていたら、いきなり女友達からケーキに見立てたおにぎりを渡されたんです。ろうそくの代わりに、爪楊枝が刺してあり、デコレーションの部分は、全て紙にマジックで描かれたものというすごい簡素化されたものでした」
実際の写真は、以下のものであるが、これまで紹介してきたものとは違い、シンプルすぎる祝い方をしていることがよくわかる。
また、彼女は続けてこう答えてくれた。
「最近は、手を抜いたサプライズをしたり、されることも少しずつ増えているような気がします。例えば、テレビでもよく見かける顔面パイ投げが若者の間で一時期流行したのですが、最近はパイではなく、コンビニで購入された豆腐を投げられたという人もいるぐらい、祝い方は簡素化しています」と答えてくれた。
ちなみに、画像投稿アプリのInstagramには、約300件の豆腐投げのハッシュタグが付いた画像が投稿されていた。それ以外にも単語帳にメッセージを書いたり、手間やお金を使わずに祝うサプライズもあるそうだ。
こうした『手抜きサプライズ』が増加する背景にあるのは、一言で表すと『サプライズ疲れ』だろう。
実際に、今回の記事執筆にあたりヒアリングをしたところ、
「毎回、友達の誕生日の時に、サプライズをしなくてはならない、ベタではない祝い方をしなくてはならないと考えると、結構大変」
という声や
「自分の誕生日にサプライズをされることは大体想像がついてしまうが、自分はサプライズされないだろうという振りをして過ごすのも面倒」
というコメントをくれた人もいた。
また、ケーキの代わりにおにぎりを渡すなどの手抜きサプライズは、『SNS上でウケるネタ』になるという返答もあった。
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