毎日がお誕生日会?若者たちのすごい「日常」 あっと驚くサプライズは当たり前

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ここまで、多様化するサプライズの事例をご紹介した。

祝われることが若者の間で「当たり前化」する中、周囲にサプライズ演出をしてもらうためにアピールする人、また、「よりよいサプライズをしなくては」という思いに駆られて、祝う側も祝い方が派手になるなど、過激化するサプライズ事情がご理解いただけたのではないだろうか。

若者たちの多くが今、所属するコミュニティの数が増加しており、誕生日を祝う人同士が初対面という状況も発生しがちだ。そこで祝う側のメンバー同士の「共通点」を作ることで、コミュニケーションを円滑にしようと頑張る若者もいる。「そこまでして」と思った読者の方もいるかもしれない。

実際、そうした状況に疲れてしまっている若者も少なくない。サプライズはやってあげなければいけない、でも本心では面倒にもなっているため、『手抜きサプライズ』をしてしまう。これも今の若者ならではだろう。

今後はどのようなサプライズ・祝い方が増えていくのであろうか。今後も注目していきたいトレンドである。

原田の総評:若者たちのサプライズ需要をどう突けるか

若者たちのサプライズの実態はいかがでしたでしょうか。

SNSの普及により、若者たちの人間関係は昔と比べると大幅に広がりました。その結果、常に相手の誕生日などがアラームで連絡されてくる社会となり、相手の誕生日は知っていて当たり前、かつ、ただお祝いするのではなく、サプライズを仕掛けてお祝いしなければならないかのようになっています。

いずれにせよ、サプライズ市場が大きく伸びる中、その需要を捉えられるかが、今後、企業にとっては重要な視点となってくるでしょう。

原田 曜平 マーケティングアナリスト

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はらだ ようへい / Yohei Harada

1977年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年よりマーケティングアナリストとして活動。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『新・オタク経済』『寡欲都市tokyo』などがある。YouTubeはこちら

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