40代社員が1万人を超えるのは47位富士通(42.1%)の10,779人、55位東芝(41.7%)の14,717人の2社。また女性社員数が最多なのは85位NEC(40.0%)の1,875人だった。
主な現役世代を30歳未満(高卒等も含む)、30代、40代、50代と4つに分けると、それぞれ25%程度ずついるのが理想的だろう。しかし、今回のランキングでは100位でも40代が39.4%もいる。40代が多い会社は決して例外的とは言えない。では、こうした職場の管理職は今後、誰が務めるのだろうか。
今の40代が多数派だからとはいえ、将来の管理職等のポストを独占してしまうと彼らの引退後に非常に不安定な組織になる。そのため普通の経営者であれば、役職の一定割合は下の世代に配分するはずだ。このため人数が多いことによるポスト不足に加え将来を見据えた若手枠で、管理職になれないまま定年を迎える現在の40代は増えそうだ。
20歳年上の部下も登場!?
一方で若手は若返りを図るために一定数のポストが与えられる。ただし、うまい話ばかりではない。比較的若く管理職になっても部下の多くは年上となる可能性が高い。中には20歳以上離れるケースも出てきそうだ。極端な話、課の中で「課長が最年少」といったことも起きるかもしれない。
これまで活躍してきた人たちなので能力は低くないはずだが、若い上司はやりにくいだろう。こうした状況になりやすいのが今回ご紹介したような現在40代比率が高い会社なのだ。
実は最近のダイバーシティの世界では、高齢者などをテーマとする「エイジダイバーシティ」に注目が集まっている。中高年の人数が多い会社では年功序列による昇給は難しくなり、収入は一定年齢で頭打ちとなりやすい。
そのため彼らのモチベーションアップはこれから各社の重要な課題となるのだ。近い将来、新人管理職者向けの「中年社員の扱い方」といった本やセミナーが増えるかもしれない。
このように今後の管理職はこれまでと異なるノウハウが求められる。だが、今の若い人たちは案外うまくやっていくのかもしれない。最近の若者は周りを気遣い公平性を求める気持ちが強いと言われる。若いソーシャル世代は上の世代からは頼りなくも見えるが、考え方の異なる多くの世代を平等にまとめていく新しいタイプの管理職として向いている可能性も高い。
今の日本の人口構成を考えると年配の管理職に部下は若手というこれまで普通だった職場の構図は大きく変わることは間違いない。この現実をしっかり認識した上で、各社の細かい年齢構成を『CSR企業総覧』でじっくり調べて、将来の自分の働く姿を想像していただきたい。
最後に今回のポイントをまとめておく。
2. 部下が年長者ばかりという状況も考えられる。
3. 年長者のモチベーションを高めるリーダーシップが必要になる。
4. ソーシャル世代はうまくやっていけるのではないか。
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