ダイバーシティって何?(第3回)--日本でのダイバーシティ&インクルージョンの推進の意味は?
現在、多くの日本企業で「ダイバーシティ推進室」が生まれてきています。
その多くが、まず企業内での女性登用に着目した活動を行っています。しかし、私は「ダイバーシティ&インクルージョン」は、企業が経済環境の変化に適応するために取り組まなければならない経営戦略の課題だと思っています。
ダイバーシティ・マネジメントが必要とされる企業経営環境の変化を整理してみます。
環境 | 具体的変化 | 必要とされる ダイバーシティ・マネジメント |
労働市場 | ・少子高齢化による、絶対的な労働力不足 ・女性採用の増加・定着率の改善 ・高齢者雇用の増大 ・障害者雇用の推進 ・外国人雇用または海外への進出 ・世代間格差の拡大 |
・激化する競争環境下での、多様で優秀な人材確保 ・多様な価値観を持つ人々に「ここで働きたい」と思われる職場作り |
職場環境と雇用 | ・終身雇用・年功序列の終焉 ・何らかの形で成果主義を評価に導入 ・パート、アルバイト、契約社員の増加 |
・横並び評価の廃止 ・個人、企業間のかかわり方の変化 ・雇用形態にかかわらないチーム作り |
働き方 | ・短時間勤務の導入 ・24時間滅私奉公の終焉 ・自分の人生を大切にする層の増加(ワーク・ライフ・バランス) |
・一律の労務管理の終焉 ・多様な価値観・働き方の尊重 |
グローバル化 | ・世界がフラットになり、世界経済の影響が瞬時に広まる ・海外拠点との分業が進み、人材競争が国境を越える |
・異文化の受容 ・世界的な人材獲得競争への参入 |
これからの企業と個人の関係は、下図のようになるのではないかと私は思っています。
これからの企業と個人の関係
まず、個人は自分が何を大切にしているのかという、人生の目的を考え、自分の価値観を生かした生き方・働き方を明確にしなければなりません。トピックボードAD
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