ダイバーシティって何?(第3回)--日本でのダイバーシティ&インクルージョンの推進の意味は?

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 そして、それと重なり合うビジョンや価値観を持つ企業で、能力を発揮するのです。

 つまり、従来のように企業に100%同化するというのではなく、自分の生き方をしっかり持ち、そのうえでイキイキと仕事をするために、企業のビジョンに納得し業務を果たすということです。

 また、企業もどのようなビジョンを掲げ、どのようなミッションで企業活動を行うのか。それを従業員にわかりやすく伝え、共感を得るため努力することを怠ってはなりません。

 これは、近頃よく聞く「エンゲージメントを高める経営」と共通しています。

 「ダイバーシティ&インクルージョン」というと何か目新しいことのように思われるかもしれませんが、要は「従業員満足度」を高めることだと私は考えています。

 ただ、その「従業員」の対象には、従来は戦力と見なされていなかった「女性」「障害のある人」「国籍の異なる人」「高齢者」など異質の人々も含めます。

 もちろん、多様な従業員の満足度を高めることは容易ではありません。しかし、多様な人々とその能力の活用に企業の成長がかかっているのです。


堀井紀壬子 ほりい・きみこ
 東京大学卒業。日本航空、外資系メーカーを経てエイボンプロダクツで営業本部長。同社退社後、経営コンサルタント・キャリアカウンセラー。2003年日本女性の活躍を願う友人たちとNPO法人GEWEL(Global Enhancement of Women’s Executive Leadership)を設立、代表理事。ダイバーシティ&インクルージョン推進のための企業向けコンサルティング、企業文化調査、研修を行うと同時に、日本社会のダイバーシティ&インクルージョン推進のために講演、執筆などを行っている。

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