「ネットで資金調達」はアニメの新潮流になるか

消費者有利の時代を逆手に取った作品づくり

――他のスタッフのモチベーションも同じようなものなのですか。

本条:ほとんどのスタッフ・キャストは普通のアニメ企画として仕事を請けて下さっているので、同じかどうかはわかりません。ウチの会社の株主は僕と監督だけですので。ただスタッフやキャストの意見を聞くと、「よくわからないけどなんか面白いね。成功してほしいね」と言ってくれていますね。どことなく「イベント」として面白がってくれているような。

「これがうまく行ったら、業界の閉塞的な状況が開けて、新しい芽が見えるのかな?」みたいなぼんやりとした感情かもしれません。現実はそこまで甘くはないでしょうけど、やってみなければわからないと。

業界の色んな人から遠巻きに眺められているようです(笑)。「こいつら、うまく行くのかな?」と。

――うまく行っても行かなくても、そこで足跡を残して。また、他の人も奮起してとか。

本条:最近になって、そう考えられるようになりました。

企画当初は「失敗したら関係者に面目が立たないな」と思っていたのですが、最近は「これは負けのないゲームじゃないか?」と思うところもあって。「こういうことをやりたい奴らがいる」ということを世界に知ってもらえるわけですから。やった者勝ちの部分がありますね。

クラウドファンディングの透明性は高い

――ちょっと話は変わるのですが、今回の目標は1500万円を集めて、最低15分のアニメを作るということですが、1分100万円という額が高いか安いかわからないのですが、どんなものでしょうか。

本条:最低限の額だと思います。手描きアニメでもいわゆる30分アニメ、本編は実質22分くらいのアニメでだいたい1500万円くらいの予算ですが、CGアニメーションの場合、単純にカット単価で割れないところがあります。キャラクターのモデリングという初期費用が大きくかかるんですね。

第1話ができるまでが一番かかるし、シリーズ全体で予算をならす必要がある。1500万円には出資者へのリワード(Blu-rayやTシャツなど)の製造費も含まれますのでカツカツ、一般販売分や関連商品が売れてくれたらなんとか、という見積もりです。

――ニコニコ動画でクラウドファンディング開始を告知する生放送を見たのですが、なんかすごく生々しかったですね。番組内でクラウドファンディングがスタートすると、おカネが徐々に集まっていくのが誰にでもリアルタイムにわかる。生放送中に10万円のコースが5枠全部埋まって。

本条:「埋まったぞ〜」と実況してくれるコメントがありましたね。

クラウドファンディングはすごく透明性が高いですよね。『CHIKA☆CHIKA IDOL』では地下アイドルをテーマにしていますが、実際に地下アイドルシーンでは、「自分がおカネを払ってチェキを撮ったり、CDを買ってあげたりしないと、このアイドルたちが困ってしまう」という関係性が明確ですよね。それに近い透明さがある。

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