「ネットで資金調達」はアニメの新潮流になるか

消費者有利の時代を逆手に取った作品づくり

成功例を見ていくと、成功しやすいクラウドファンディングには共通項がある。それは、原作があったり、作者が多くの人に知られていたり、または人気があっても手に入りにくくなっていたりなど、すでに一定の評価を受けていて多くのファンがついている作品や作者などがかかわる場合だ。地盤の強いプロジェクトの方が成功しやすいし、クラウドファンディングに向いている傾向がある。

ところが、それとは正反対にクラウドファンディングを用いて、完全なアニメの新作をつくろうとするプロジェクトが立ち上がっている。それが『CHIKA☆CHIKA IDOL』である。

 

内容としては、アイドルをやりたい3人の女の子「赤崎天花(C.V.高野麻里佳)」「裕木澄(C.V.桑原由気)」「アビゲイル・ウィリアムズ(C.V.立花理香)」たちが、自分たちで自分たちをプロデュースして、地下アイドルとしての活動していく様子を描くアニメーションである。

監督には『とある魔術の禁書目録』『あずまんが大王』で知られる錦織博氏を迎え、フルCGアニメーションで制作をするという意欲作だ。

CHIKA☆CHIKA IDOLは日本ではMakuakeで3月30日まで、米国ではKickstarterで現地時間3月24日までネット上で制作資金を集めている。今回の目標は1500万円、最低15分のアニメを作るという。地盤の強いプロジェクトほどクラウドファンディングと相性が良いという、一般的な傾向から考えると、かなり無謀なプロジェクトにも見える。そんなプロジェクトにゴーサインを出したプロデューサーの本条靖竹氏に、話を聞いた。

資金調達するところからすでにコンテンツ

――まず、お聞きしたいのは、どうしてクラウドファンディングという方法を選択したのでしょうかということです。僕は何かの続編であったり、原作者にファンが居たりするプロジェクトほど、クラウドファンディング向きだと思っているのですが。

本条:まず、既存の人気コンテンツはあまりクラウドファンディングをする必要がないと思います。ある程度「売れる」という保証のある案件は、おカネも集まりやすく、既存の企業のスキームで扱いやすいですよね。今回はむしろ「リスクを全部取っていく」というスキームでやっています。「選べるならリスクが高い方を迷わず選べ」的な(笑)。

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