【海運大手3社の今期業績】宴の後の大苦悶、23年ぶりの歴史的不振

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 ある大手海運幹部は「業界全体で2兆円の赤字では海外のコンテナ船専業がバタバタつぶれる」と期待を寄せる。海外のコンテナ船専業大手と違い、ドル箱のバラ積み船事業を擁する日本の大手3社は、コンテナ船の専業大手よりも耐久力がある。ただ、欧州銀行が資本注入などでコンテナ船専業大手を支える動きがすでに出てきていて、専業淘汰がどれだけスムーズに進むかは未知数の面がある。海外の専業大手が意外に持ちこたえれば、供給過剰状態はさらに悪化、大手3社のコンテナ船部門の赤字が来期以降、さらに膨らむ可能性が否定できない。

為替や燃料油価格の見通しは以下のとおり。1ドル=100円と最も円安想定だった川崎汽船は見通しを4円引き下げたが、3社中ではなお最も想定レートが安い。一方、最も円高想定なのは、期初は1ドル=95円想定の日本郵船だったが、今回の修正で1ドル=94.05円を見込む商船三井が最も円高想定となった。燃油想定は1トン当たり357ドル~391ドル。
 
 為替見通し:

通期      期初     今回修正   修正幅 1円円高の感応度
 日本郵船  95.00円  95.63円 +0.63円   ▲10億円
 商船三井  97.00円  94.05円 ▲2.95円   ▲17億円
 川崎汽船 100.00円  96.00円 ▲4.00円  ▲4.5億円 

燃料油見通し:
 
  通期      期初      今回修正      修正幅 1ドル上昇の感応度
 日本郵船 275.00ドル  357.18ドル  82.18ドル ▲2億円
 商船三井 300.00ドル  391.00ドル  91.00ドル ▲2億円
 川崎汽船 300.00ドル  375.00ドル  75.00ドル ▲1.9億円  

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