【海運大手3社の今期業績】宴の後の大苦悶、23年ぶりの歴史的不振
中国の資源爆食に乗り、2008年9月中間期まで最高益更新を繰り返していた海運大手3社が“宴の後の苦悶”を味わっている。
日本郵船、商船三井、川崎汽船の3社が2009年4~6月期業績を発表とともに、今2010年3月期の通期見通しを3社とも下方修正した。日本郵船が1986年度以来23年ぶりに通期最終赤字に転落、川崎汽船も23年ぶりの営業赤字に転落する(川崎汽船は最終利益段階では92年度以来17年ぶりの最終赤字転落。いずれも連結ベース)。商船三井は通期最終黒字確保を断念していないが、4~9月期(以下、上期)は50億円の営業赤字に転落(期初計画は240億円の営業黒字。もし商船三井が通期赤字に陥れば、営業赤字は87年度以来22年ぶり、最終赤字は94年度以来15年ぶりになる)。
通期最終利益の修正幅で最大なのは川崎汽船の375億円、最小は商船三井の100億円。日本郵船は経常利益段階までは黒字見通しだが、赤字続きの航空貨物子会社・日本貨物航空(NCA)を前期に減損処理した結果、今期赤字分の税効果が取れず、税調整が大きいために最終赤字に転落する。
通期最終利益 日本郵船 商船三井 川崎汽船
86年度 ▲35億円 ▲68億円 ▲65億円
87年度 8億円 ▲99億円 ▲80億円
88年度 29億円 56億円 ▲1億円
89年度 105億円 137億円 26億円
90年度 62億円 52億円 ▲30億円
91年度 65億円 23億円 43億円
92年度 74億円 70億円 ▲27億円
93年度 60億円 ▲59億円 27億円
94年度 31億円 ▲44億円 37億円
95年度 33億円 46億円 28億円
96年度 135億円 60億円 63億円
97年度 71億円 84億円 16億円
98年度 124億円 70億円 15億円
99年度 157億円 83億円 68億円
00年度 355億円 109億円 19億円
01年度 175億円 105億円 47億円
02年度 142億円 147億円 103億円
03年度 348億円 553億円 331億円
04年度 713億円 982億円 598億円
05年度 920億円 1137億円 624億円
06年度 650億円 1209億円 515億円
07年度 1141億円 1903億円 830億円
08年度 561億円 1269億円 324億円
2010年3月期
09年度(期初) 180億円 400億円 65億円
同(修正) ▲50億円 300億円 ▲310億円
【修正幅】▲230億円 ▲100億円 ▲375億円