大ヒット連発!ピクサー映画の秘密、経営者よりも現場力が成功のカギ

大ヒット連発!ピクサー映画の秘密、経営者よりも現場力が成功のカギ

興行収入の上位がアメコミ原作かシリーズ物ばかりでハリウッドには停滞ムードが漂っている。オリジナルストーリーでシリーズ物にも頼らない、それでいて確実にヒットを出す映画会社はないものか。

ディズニー傘下の「ピクサー・アニメーション・スタジオ」がまさにそれだ。世界初の長編CGアニメ『トイ・ストーリー』を皮切りに、制作した長編アニメ9本中8本がその年の興行収入トップ5に。さらにアカデミー賞も5本が受賞するという、商業的にもクオリティ的にもトップの制作スタジオだ。

そしてピクサー創設時から現在まで、中心的な役割を果たしてきたのがジョン・ラセター(写真)である。初の長編監督作品『トイ・ストーリー』でアカデミー賞特別業績賞を受賞し、その後もプロデューサーや監督として同社のすべての長編アニメを作り上げてきた。このピクサーという会社の成り立ちを振り返ってみる。

ピクサーの前身は、『スター・ウォーズ』を生んだジョージ・ルーカスの映画制作会社ルーカスフィルムのコンピュータ・グラフィック(CG)部門。主にSF映画のCG部分を制作していた。いずれ全編CGの映画を作りたいと考えていたが、博士号を持つ技術陣は多数そろってはいても、映画に精通したスタッフはいなかった。そこに現われたのがラセターだった。

作品を愛するあまりディズニーの傘下に

大学卒業後、アニメーターとしてディズニーに入社したラセターは、早くからCGに関心を持ち、CGアニメの企画を上司に売り込むが、却下されたうえに、解雇されてしまう。CGアニメは手描きアニメ全盛のディズニーにとって百害あって一利なしと判断されたのである。

ラセターはルーカスフィルムに転職すると、世界初の短編CGアニメを制作した。だがルーカスはCG部門を売却してしまう。理由は同部門が開発した映像処理ソフトが高値で売れると踏んだから。むろん、ラセターは自分たちの価値は映像処理ソフトではなく、それを使って映画を作る能力だと信じていた。

新たな買い手はアップルCEOのスティーブ・ジョブズ。こうして新会社「ピクサー」が発足した。

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