その理由として考えられるのは、64%のミレニアルズが「世界をよりよい場所にするために働く」のが第1目的と答えていること(インテリジェンス・グループIntelligence Group調査)。
またミレニアルズの9割以上が、企業活動が世界をよりよくする事に貢献している会社で働きたいと考えている。そんなデータもあります。
そんな中でミレニアルズが注目しているのはノンプロフィット・オーガニゼーション(非営利団体)です。米国のノンプロフィットは製造業、小売業に続き全米3位の巨大な産業で、職種も多岐にわたっていますちなみに上記にランクインしている2つの小児病院はノンプロフィット・オーガニゼーションのジャンルに入ります)。
「アメリカンドリームは失われ、一生懸命働いたからといって金持ちになれるとは限らない」。だったら、給料は安くてもいいから社会の、人のためになる仕事をしたい。それが仕事を選ぶ基準は「人生における使命感」という考え方に繋がっているのかもしれません。
一方で皆が使命感に燃えているかというとそうではなく、現在の就職難で比較的入りやすいノンプロフィットを選ぶ人がいるのも、またひとつのサバイバルの形といえるかもしれません。私たちが取材したミレニアルズの中にも、「グーグルかアップルに入れるものなら入りたいに決まっている。でも、いきなりは今の米国では無理だから、NPOを選ばざるを得ない現実がある」と話している人がたくさんいました。
もともとノンプロフィットは、米国の資本主義経済の中でとり残されがちな部分をカバーすることが大きなミッションとなっています。格差が拡大する今、ノンプロフィットの役割はますます大きくなっていくことでしょう。
もともとボランティア志向が強いミレニアルズ
そんなミレニアルズは過去のどの世代に比較してもボランティアをしている集団であるというデータもあります。国勢調査を分析したデータによれば、2014年には30歳以下の若者の20%がボランティアをしたと答え、1989年の13%から大きく伸びました。しかもこの数字はまだ伸びると予測されています。
また別の調査(ミレニアルズ・インパクト調べ)ではもっと高い数字が出ていて、ミレニアルズの47%が何らかのボランティアをしたことがあり、57%がもっとやりたいと答えています。さらに、またミレニアルズの87%が何らかの寄付をしたという数字もあります。
米国はもともと、キリスト教の理念に基づくチャリティやボランティア志向が強い人が多い国でもありますが、ミレニアルズの世代には学校単位のボランティアが普通になり、ボランティアをすることで授業の単位がもらえるなど、まさに生活の中に溶け込んでいます。