なぜ、東大生の英語は「通じない」のか? 受験英語を極めてはいけない理由
東大生が使う英語というと、文法的なミスがなく、豊富な語彙に裏付けられた格式高い英語というイメージがあるが、そうした「完璧な英語」を目指すことによって、かえって「伝わらない英語」が身についてしまうことがあるらしい。
『欧米人を論理的に説得するための ハーバード式ロジカル英語』の著者であり、自身も外資系企業勤務後にハーバード大学でMBAを取得、現在はビジネス・ブレークスルー大学(BBT大学)経営学部教授の青野仲達氏に話を聞いた。
優秀な日本人の書く英文は「見た目」が悪い
――東大生の英語というと、「ミスのない完璧な英語」というイメージがあるのですが、それが問題になることなどあるのでしょうか?
実は非常によくあります。もちろん、文法力や語彙力は「あるに越したことはない」のですが、そうした「完璧な英語」「ミスのない英語」を目指し、それにこだわることによって、かえって相手に「伝わりにくい英語」になってしまうことが多いのです。
英語を話す目的は、相手に「自分の考えを伝える」ことです。「ミスはないが伝わらない」のであれば、本末転倒になってしまいます。
――具体的に、伝わりにくい英語の特徴はあるのでしょうか?
日本で優秀な教育を受けた「英語ができる」人の特徴として、多くの修飾語(形容詞や副詞)を使い、長い英文を書くという傾向があります。原因は、持ち前の卓越した文法力や豊富な語彙を活用しようとするためです。例を見てみましょう。
A strikingly beautiful young woman delightedly bought a small but expensive piece of jewelry.(目を見張るほど美しくて若い女性が、嬉しそうに、小さいけれども高価な宝石を買った)
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら