海中探査用のロボットアームが進化した! 柔らかな「手」で海中生物を傷つけずに探査

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水中探査向けのソフトタッチを可能にした新たなロボットツールを、研究者が開発中だ。油圧や空気圧によって駆動させるなどして、繊細な海洋生物を傷つけずに調査できるようにした。

中東・アカバ湾の水深500フィート(約150メートル)強の地点で、海洋生物のサンプル収集用に設計された新ツールの試験が行なわれている。対象をつかむグリッパーは、これまで一般的だった金属製ではなく、柔軟でぐにゃぐにゃしている。

装置を操作していた米ハーバード大学ウィス研究所の機械エンジニア、ケビン・ギャロウェイ氏によると、「サンゴ礁で大腸の内視鏡検査に似たことをしようとしても、海洋生物が住む狭い場所に入り込めるほど小さくて柔軟な器具は無かった」。しかし、柔らかい素材で作られた器具を油圧や空気圧で駆動させることで、水圧の高い深海でも使用可能にした。

また、大学院生のケイトリン・ベッカーさんは、外からの圧力が強まり続けても形状を保つ素材「メモリーフォーム」が、新ツール実現につながったと説明する。「バネだと押せば押すほど反発力は強まるが、メモリーフォームは一定の水準を超えて押す力を増していっても、反発力は変わらない」。

チームはグリッパーにセンサーを埋め込み、海洋生物の一部を採取しなくても測定や遺伝的データ収集を可能にする計画だ。触覚のフィードバック機能を追加して、操作している研究者が対象の感触を確かめられるようにすることも目指している。

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