私の記憶に一番鮮明なのは、祖父の代から自民党の重鎮だった、飛ぶ鳥を落とす勢いだった3世議員が、自分に献身的だった妻と子を「捨てた」事件です。アナウンサーから議員になった有名な美人の同僚議員と恋愛したことが原因の、あの「政界失楽園」事件です。
何の罪もなく、誰からも献身的だったと評判の高い、やはり美しい「元妻」の写真を見た時は、私さえ胸が締め付けられる思いでした。「愛」がそんなに上等か、大人が「愛」だけで動いて許されるのか、それで政治家が務まるのかと言ってやりたくなったものです。
案の定、飛ぶ鳥を落とす勢いはそこまでで、次の選挙で彼は他党の新人に負けて落選し、以降は当落を繰り返しています。彼の政治家としての手腕よりは、人間としての誠実性が問われたのだと思います。
今回の宮崎氏の事件が、明るみに出なかったら大変なところでした。痛みを伴って納めている人が多い税金から高給を受け取り、そのうえ何かと時間の融通が利きそうな稼業で、育休を取ると宣言するだけで、働いているように見える世界なのです。その育休の間に、さらに多くの女性に自分から言い寄らない保証は、どこにもなかったのです。
不倫の代償は、子供が払う
私の知人で、本妻と愛人が同時に出産した事件がありました。本妻はそれを妊娠中に知り、胎教の段階で愛人に負けていたのは明らかです。それまでに本妻が生んだ数人の子たちとは比べ物にならないほど、心身ともにトラブルを抱えた子が生まれたのです。
もちろん妊婦が皆、強い精神的なストレスで出産するとは言いませんが、胎教によくないことは間違いないでしょう。
言葉で表せばこれだけですが、このトラブルを抱えた子供が、親の亡きあとも生きていくことを考えれば、とんでもない事件なのです。本能だけで動く動物とヒトの違いを見せろと、不倫をした当事者に言ってやりたくなります。
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