農業を衰退させる減反政策をやめよ

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つまり、主食としての価格が高すぎるのだ。国内の麦価と比較しても高いし、国際価格と比較するとかなり高い。小麦と比べて高いことが国民のコメ離れを促している。また、コメを輸出しようとしても、一部銘柄米の小ロットを例外として、日本のコメに国際競争力はない。

零細な農家の側から見れば、コメは安すぎて利益が出なくなっているのだが、麦価との比較や輸出という観点から見れば、コメはまだ高すぎるのである。

この中途半端なコメの価格を形成してきた原因が減反政策という名のカルテルである。減反には米価を押し上げるほどの力はなかったが、大幅な下落は食い止めてきた。では、このまま減反政策を続けたら、日本のコメ作りはどうなるのだろうか。

減反は大規模農家に対しても、零細農家に対しても、一定の比率で割り当てられる。零細農家はとっくに価格競争力を失っているが、減反という価格維持政策に助けられて何とか耕作を続けている。しかし、将来の発展はありえず、発展の期待がなければ後継者も生まれない。

「遊んでいるよりまし」ということで小規模で非効率なコメ作りをしている前述のような零細農家は、体が動くうちは耕作を続けるだろう。つまり、減反政策が生産性の低い零細農家を温存しているのである。そして彼らがコメ作りからリタイアしたとき、農地は耕作放棄地となる。

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