農業を衰退させる減反政策をやめよ

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農業を衰退させる減反政策をやめよ

一昨年の春、筆者が奈良県の農村を歩いていたとき、70歳代の農家の人と話をする機会があった。道を尋ねたのがきっかけだったが、どちらからともなく農業の話になった。

「コメ作りは利益にならん。値段が安うて農協に売った額から、農機の支払い、燃料代、肥料代、農薬代なんかをさっ引くと、残りは話にならんほど少ない。まあ、農地があるんで遊んでいるよりまし、ということでやっとるようなもんや。息子が会社勤めをしとるので、生活には困りはせんけど、考えればあほらしいな。農業もワシの代で終わりやな」

この証言には、多くの限界的な零細コメ農家が置かれている状況が集約されている。この農家が保有・耕作している農地も1ヘクタールに満たない。典型的な第二種兼業農家だ。

だが、こうした零細農家にも、農協を通じて減反が割り当てられる。

減反政策が始まったのは、1970年。コメ作りを行うすべての農家に一定の転作面積を割り当てた。建前上は義務ではないが、「転作奨励金」というアメと、その他の補助金の受け取りに減反の達成を要件とするというムチを使って、事実上の義務として機能してきた。

95年に食糧管理法廃止と食糧法の施行があったが、その後も減反政策は維持された。

農協、自民、農水の言い分

現時点における減反政策の目的は生産調整カルテルによって価格を維持することである。このカルテルには、大規模なコメ専業農家から零細農家まで、個々の意思とは関係なく一律に参加を求められる。減反政策を維持してきた農協、自民党、農林水産省などの言い分はこうである。

「減反政策をやめたら、コメの生産量が増えて価格が下落し、日本のコメ農業は大きなダメージを被る」

それは本当だろうか。

まず価格。減反面積は110万ヘクタールと水田面積の4割弱に達しているのに、価格の下落傾向は続いており、冒頭の証言がそれを裏付けている。理由は、消費者のコメ離れだ。生活の洋風化ということが言われるが、それだけではない。

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