農業を衰退させる減反政策をやめよ

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潜在力ある大規模農家

一方、大規模農家はどうか。大規模農家は、もともとスケールメリットが享受できるうえ、経営の合理化を進めることが可能だったため、相対的に価格競争力を持っており、コメ農業の衰退を押しとどめうる潜在力がある。しかし、それにはさらに経営規模を拡大させ、スケールメリットを一層発揮させる必要がある。

そうした大規模専業農家にも減反は割り当てられており、これが彼らの生産意欲を低下させ、経営拡大と合理化の機会を失わせている。その結果、日本農業の復興を妨げている。

いま必要なのは、大規模なコメ作り農家にさらに農地を集積させ、あるいは、新たな大規模な経営体の農業参入を促して、コメ作りを発展させることである。それには最低限、減反政策をやめる必要がある。減反政策をやめれば確かにコメ価格が下がる。このコメ価格の下落は消費者のコメ離れを食い止める一方、コメ輸出への可能性を高める。

同時にコメ価格下落は、高齢化した限界的な零細農家の退出を促す。その結果、零細農家の農地を大規模農家に貸し出すことが可能となる。

このような経路によって、大規模農家のさらなる経営の大規模化が可能となる。スケールメリットが拡大し、コメ価格が下がっても国内消費の拡大と輸出という新しい需要の創出によって、十分農業経営をやっていけるようになる。

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