「仕事だけ人間」は部下の力を伸ばせない 「部下の人生にコミットする力」はあるか?

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女性部下を真に活躍させるにはどうしたらいいのか?佐々木常夫氏に聞きます
全員がいきいきと働き成果を上げるチームと、部下の力を活かしきれず停滞するチーム。上に立つ上司次第で、チームの成績は大きく変わるものです。
とくに今、職場で増える女性をうまく活躍させることができない上司は少なくありません。しかし、女性活躍推進法の施行も迫り、今後も「苦手だから」と逃げ回り続けるわけにもいきません。
昨年末に『決定版 上司の心得』を上梓した佐々木常夫氏は、「女性の使い方が上手い人は、女性だけでなく、人の使い方が上手い」と言います。ワークライフバランスや女性活用の現場にも詳しい佐々木氏に、女性部下の活かし方について聞きました。
前回記事:佐々木常夫氏「僕が必ず年頭所感を書く理由」

 

女性に多い「被害者意識」「好き嫌い」「気の遣いすぎ」

――今年4月に施行される女性活躍推進法により、従業員301人以上の企業では、女性に昇進機会を積極的に提供し、女性管理職比率を上げることが求められるようになります。しかし、急に「もっと女性を活用しろ」と言われても、戸惑う上司は多いと思います。

私が現場で仕事をしていた時に、男性と女性とで仕事のスキルに差異を感じたことはありません。女性のほうが男性より使いにくいと思ったこともないですね。逆に、真面目だし丁寧だし、安心して頼める人は多かったです。

男でも女でも、扱いが難しい人間はいますし、同じ人間でも家庭の事情とか病気とか、その時々で使いづらい状況はあります。どんな部下でも、活かして成果を上げるのが上司の仕事。女だからどうという考えはありませんでした。

ただし、男と女、それぞれ反応にある種の傾向があります。女性を積極的に活用しようというのであれば、そこは少し意識したほうがやりやすいかもしれません。

――どんな傾向ですか?

ひとつは感情的な部分。もうひとつは、責任のある仕事を任せようと思った場面で、特有の反応を示す点です。

感情的な部分からお話しするなら、私が女性に多いと感じたのは「被害者意識」を持ちやすいことです。それから好き嫌いで人を分ける傾向も強い。あとは周りに気を遣いすぎて、問題をややこしくする人も多いかな(笑)。

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