「プロ女子大生」の婚活は、こうなっている! 東京の「婚活事情」最前線<4>

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桃子の結婚というニュースは人気アイドルの引退のような衝撃を周囲に与えたが、誰もが気になったその相手は、ごく平凡で地味な外見をした、まぁまぁ有名なベンチャー企業の役員という、悪くはないが桃子にとっては少し拍子抜けするような相手だった。みんな、桃子はきっと流行りのIT社長や有名人と玉の輿に乗るだろうと思っていたのだ。

当然のように専業主婦になった桃子は、今度は昼間に港区周辺のオシャレなカフェでのランチや買い物を楽しむ日々にシフトし、さらに誘いがあれば以前と変わらず夜遊びに出かけるような気楽な日々を過ごしている。

なぜ桃子は結婚を選んだのか

桃子にベタ惚れで底抜けに温和な夫は、妻を咎めるようなことは勿論せず、それどころか多忙な仕事に加えて家事まで引き受けるというまるで召使いのような男だ。そしてそんな生活を、夫婦はすでに5年続けている。

「そんなに尽くしたいって思えるくらいの女と結婚できたんだから、一番幸せなのは旦那なんじゃない」

あはははと、桃子は大きく口を開けて笑う。

「もっとお金持ちと結婚したかったけど、あの人超しつこかったんだもん」

そう茶化す彼女の表情は相変わらず楽しそうで、不満は一切見当たらない。

しかし、桃子は本当にしつこかったから、とただの流れで結婚したのだろうか?

いや、違うと思う。結婚を決めたとき桃子はまだ25歳で最高に美しい絶頂期ではあったが、特にキャリアに興味のない彼女は、東京の恋愛市場の中ではそろそろ下降に差し掛かってもおかしくはない年頃だった。

東京の最前線の男たちは女にそれなりの自立や経済力も求めることが多く、美貌や若さだけではなく、キャリア、家柄、性格など、その総合点で市場価値が決まるからだ。桃子はそんな市場の動きを本能的に感じ取り、自分のマイペースな生活スタイルを崩すことのない相手を「無難な勝利」として選んだのではないだろうか。

生まれ持った美しさだけで世の中の美味しい蜜を吸ってきた若い女が、年を取るにつれて美貌だけでは太刀打ちできなくなり痛い思いをする話は多い。20代後半に突入すると、どんな女も否応なしに「劣化」を感じることになる。桃子はそんな市場で苦労をする前に自分に一生忠実に尽くしそうな相手を引き寄せ、さっさと要領よく引退したのだ。

もちろん、桃子はそんな難しい戦略など考えてはいなかったと思う。彼女のように理由もなく要領の良い女は確かに存在するが、何よりの強みは、何事にも自分の本能に正直な「純粋さ」だったと思う。

結婚相手を選ぶとき、その相手のステイタスやら何やらが、自分自身よりも友人や家族にどう映るかを異様に気にする者は多いが、自分にとって何が幸せなのか理解していない者はもっと多い。

それは愛や金、ルックスであったり、人それぞれなのだが、それを分かっている女はきっと賢いと言えるのだろう。桃子にとってのそれは、マイペースで気楽な、楽しく愉快な生活なのだ。

ストレスフリーな生活を送る彼女は、30歳を過ぎても結婚したときから時間が止まっているように見える。

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