「プロ女子大生」の婚活は、こうなっている!

東京の「婚活事情」最前線<4>

もちろん「友達」たちにもそれなりの下心があったと思う。

しかし桃子はニコニコ微笑みながら、「また連絡するね」の一言とヘラヘラした態度でいつもスルリと男たちをかわしていた。

好き放題に遊びまくる美人女子大生

一度、「俺は君にとって何なの?」と食事の場で怒りを露わにした男がいた。桃子はしばらく無言でモジモジとした態度をしたのち、「ちょっと失礼」と席を立ち、その数秒後友人にトイレ来てとメールを送り、そこへ向かうと口紅をマイペースに塗り直していた。そして、「コワい人だね。『友達』が待ってるから次行こう」と悪戯っぽく微笑み、最後にシャネルの香水をシュッっとひと吹きふりかけ、男に見つからないようにしれっと店を出たのである。

しかも、その置いてけぼりの男はどんなに怒り狂っているかと思いきや「今日は本当にごめんなさい。許してください。ちゃんと帰れた? 明日また会えない?」と、また必死に桃子に媚びていて、数日後には何事もなかったかのようにまた桃子の都合の良い「友達」に戻り、キャッキャと愉快そうな笑い声を立てているのだ。

実際、多くいた桃子の「友達」の中には恋人関係になれた男たちも何人もいたと思われるが、もともと彼女は恐ろしくモテるわりに恋愛に関しては淡泊で、いつもその線引きは曖昧なものだった。好きな男に盲目になり振り回されるということも一度もなく、逆に桃子を本気で恨んだりしつこくするような男もいなかった。

桃子のこのような日頃からの行動は、男の間でも女友達の間でもいつも「悪女」なのか「天然」なのか、よく批判も混じった議論になっていた。そして桃子本人に問うても「やだぁ、うける」とケラケラ笑うだけで本人は何も考えておらず、また誰に何を言われようと全く気にならないようだった。

桃子は、ただ単純に楽しいことやオシャレな食事が大好きなだけだったのだと思う。

そこには打算や下心はなく、いつも男たちとの時間を純粋に楽しんでいた。桃子は深いことを考える女ではない。少なくとも本当にそう見えたことは確かだ。そして何よりも、男たちは桃子が無邪気に喜ぶ様子をいつも安堵にも似た満足感で眺めていた。

若く美しい「都会のイイ女」を満足させることは、ある程度地位や財を築いた男たちにとって、彼らの東京での格付けを実感できる一つのツールであり、もはやノルマのようだった。この都会のとある層には確かにそんな需要と供給が存在している。

傍から見る桃子は魔性そのものであるように見えて、きっと東京のそんな枠組みにしっくりと当てはまる存在であるだけだったのだ。

女子大を卒業した桃子の就職先は、知り合いの弁護士の小さな事務所の秘書職だった。そこでも桃子は当然その弁護士に可愛がられ、勤務時間もゆるくランチに2時間近くとることも常だった。仕事内容もお茶出しや書類整理など簡単なものばかりで、桃子は空いた時間にネットサーフィンや爪の手入れをしながら相変わらずマイペースな社会人生活を送っていた。

アフター5も学生時代となんら変わりない派手な日々を楽しんでいるようだったが、OL生活を2年程続けたところで桃子は突然寿退社した。

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