北海道から上京した23歳女子の恋愛の行方 東京で暮らす私と地方で暮らす彼の未来は?

生まれ育った場所を「地元」と言うならば、日本中のすべてが、きっと誰かの「地元」。歳を重ねるごとに、変わりゆく価値観、パートナー、経済感覚。刻々と変化し続ける自分の人生において、調子がよいときには煩わしくも感じる「地元」の存在は、期せずして訪れる挫折と絶望のとき、優しく手を差し伸べてくれるはず。
これは、北海道大学を卒業したのち東京の会社を中心に就職活動をし、渋谷にあるとあるインターネット企業に就職した北原希(きたはらのぞみ/23歳)の「東京」と「地元」の物語。
東へと向かう列車で
はなやいだ街で 君への贈りもの
探す 探すつもりだ
振り返ると母の姿が…飛行機の中、涙があふれる

昔、父親が口ずさんでいた昭和の名曲「木綿のハンカチーフ」が頭の中で流れていました。故郷に恋人を残して、上京した男が都会に染まり帰らぬ人となる。というその歌詞に、子供心ながら東京の華やかさと、故郷の物悲しさの明暗のコントラストに胸がざわざわしたのを覚えています。
新千歳空港の出発ロビー。振り返ると、豆粒のように小さくなるお母さんがまだそこに立っていて、飛行機の中、涙があふれてきました。