「プロ女子大生」の婚活は、こうなっている! 東京の「婚活事情」最前線<4>
そのうえ天真爛漫という言葉がピッタリな大らかで明るい性格、食事や酒の趣味もよく、歯に衣着せない物言いも魅力的で、桃子の周りには取り巻きの男たちが絶えなかった。
桃子の誘いで女子何人かで夜の東京へ繰り出すと、まずは社長系の男たちに都内の一流ホテルで桃子の好物である和食や中華をご馳走される。豪快に食べて飲み可愛らしい笑顔を振りまく桃子の姿を金持ちの男たちは満足そうな目で見つめ、食事が終わる頃タクシー代を1人ずつ渡す。
二次会は西麻布のカラオケで桃子の到着を待つエリートサラリーマン達と合流する。可愛らしい声で彼女にピッタリな適度な振り付けで流行りの曲を楽しそうに歌うと、また男たちは高揚し桃子桃子と褒め称える。そして、終電がなくなった頃に帰ると言うとまた1人ずつタクシー代を渡してくれる。
次から次へと現れる、桃子を待つ男性たち
帰るフリをしながら向かう薄暗いバーには、桃子に真剣に思いを寄せる弁護士だか会計士の神経質そうな男が待っている。桃子が一人でないことに落胆を隠せない一方、彼女のご機嫌をとるため友人たちにも気を配る。
そこで桃子はシャンパンを飲みながら男の相手はほとんどせずに携帯をいじり、急にパタンと携帯を閉じると、切実に引き止める男を振り切ってバーを後にし、夜中の六本木通りへ出る。すると最後には大きなベンツが停まっており、女子メンバー全員を送迎する人の良さそうなお坊ちゃま風の地味な男が登場する。
全員、桃子が「友達」と呼ぶ男たち。
最近「プロ女子大生」という言葉が流行っているが、桃子はまさにその典型だったと思う。
自分では到底購入できないだろう高級時計やアクセサリー、バックを身に着け、いつも姿勢よく東京の街を楽しそうに歩いていた。プロ女子大生どころか、バブル時代のドラマから抜け出したような女。
その「友達」たちは、いつもまぁよく揃ってと思うほど、桃子をお姫様のように扱った。
食事やブランド品だけでなく、桃子が「家にパソコンがなくて課題ができない」と言えばパソコンをプレゼントする上にインターネットまで自分の名義で登録してやったり、なぜだかシャンプーなどの日用品や食材まで桃子に届ける男もいた。
世の中には、必要なものを「欲しい」と言わなくても手に入れられる女が存在するのだ。欲しいものは向こうから勝手にやってくる。