今後の相場は「米長期金利の波乱」に要注意

連銀の利上げどころではない影響力がある

2015年12月、9年半ぶりに政策金利を引き上げた米FRB(写真:新華社/アフロ)

前回の記事(1月10日)で、「過去の相場をみれば、売られ過ぎがさらに売られ過ぎになったものが、もっと売られ過ぎになってしまうことは、しばしばある」と、さらなる株価下落に対する懸念を示した。残念ながら先週途中までの市場動向は、懸念した通りとなってしまった。

しかし「売られ過ぎ」という言葉で示したように、実体経済・企業収益から見た妥当な株価水準は、現状のはるか上だとも考えている。前回は、米金融政策を巡る見解や中国など新興諸国経済についての見方、「リスク回避のための円高」といった現象を取り上げ、一つ一つ事実やデータに基づき、市場で語られる不安がどのように誤っているのかを解説した。

悪役を押し付けられた米国金融政策

特に、米国が緩和の出口を出始めたことが、世界の株式市場などからの資金引き上げにつながっている、という見解がまったくの誤りであることを、資金量(マネタリーベースとM2)の具体的な伸びから説明した。

金利面からの解説を加えると、FFレートの誘導目標がゼロから0.25%にわずか上昇しただけで、天地がひっくり返ったかのように騒ぐのは、行き過ぎだろう。ある投資家が、米国の短期金利がゼロなら大いにリスク資産にお金をつぎ込むが、0.25%になっただけで一気に資金を引き上げる、などと考えるはずもない。

では、世界(特に新興諸国)の株価がなぜ大きく下げたか、ということだが、3つの背景が考えられる。①実際に米短期金利の小幅上昇について、もしかすると大変なことが起こっているのではと間違った投資家が、株式を売りに回った、②そのように間違う投資家の不安につけこもうと、売りを進めた投機筋が多かった、③米国の金融政策とは関係なく、景気が減速する新興諸国が増えた、というものだ。もしくは、③が主要因だが、12月の連銀の利上げが後付けで悪者にされた、という面も大きいだろう。

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