2016年の日経平均は年央高・年末安とみる 年初の短期的リスクは米経済指標の下ブレだ

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2013年の参院選で街頭演説する安倍晋三首相。16年の参院選に向けて景気刺激を重視するはずだ(撮影:尾形文繁)

相変わらず情けない市況が続いている。日経平均は12月25日(金)まで5営業日続落となったが、特に大きな売り手が出たという話は聞かない。株価下落の材料としては、少し前まで原油価格の下落、ごく最近は円高が挙げられている。とは言っても、原油安は日本経済にとってプラス材料であり、米国エネルギー株の下落で米株価平均が下がり、単にそれをみただけで日本株が売られているのは、おびえ過ぎだ。

また円高も、確固たる米ドル売り・円買い材料はなく、薄商いの中の値ぶれに過ぎないと推察される。足元の国内株式市場では、相対的な内需系産業への安心感から小売、食品、日用品などが物色されている。外需株が大いに買い上げられているのであれば、そこに円高がぶつかると物色の柱が折れ、株式市況全般に軟化することが想定されるが、現状は内需主導であり、個別の物色動向と円高を材料とした市況全般の軟化がちぐはぐだ。

外国人投資家待ちの情けない相場付き

結局何が真に国内株価の頭を重くしているかと言えば、外国人投資家がクリスマスを中心とした休暇で、日本株の売買にほとんど参加していない。そのため、薄商いのなか散発的な売りが出るだけで、株安気味の推移となっているのだろう。

最初に「相変わらず情けない市況」と述べたのは、株価が軟調であることが情けないのではなく、海外投資家に道を指し示してもらわないとどうにも動けないといった、相場付きが情けないということだ。日本企業の増益という、根拠のある材料に沿って株価が再度上昇基調に復するにも、海外投資家による「買い」とのお墨付きを待たないといけないようだ。

クリスマス休暇明けから、年初にかけて、海外投資家は日本市場に戻ってくるため、徐々に実態改善に沿った株価上昇基調を取り戻そう。ただしこのシナリオに短期的にリスクがあるとすれば、米経済指標の下振れによる米ドル安・円高だろう。

来年の第1週は、米国の経済指標として1月4日(月)にISM製造業指数、1月6日(水)に同非製造業指数とADP雇用統計、1月8日(金)に雇用統計が発表される(すべて12月分)。米国経済全般の持ち直し基調に沿った堅調な内容になると考えるが、現在の米経済は、総じて内需非製造業が堅調であるものの、米ドル高の影響もあって外需製造業が冴えない状況だ。

ISM製造業指数は10月の50.1から11月は48.6に大きく低下し、リーマンショック後の2009年6月以来の低水準となっている。12月分が悪化するという展開は否定できず、その場合米ドルに売りがかさんで、現在円高・米ドル安を不安視している国内株式市場で株価下落が進む恐れがある。

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