今後の相場は「米長期金利の波乱」に要注意

連銀の利上げどころではない影響力がある

実は、今回の相場波乱において、米金融政策に悪役を押し付けた現象は「騒ぎ」の域を出ていない。米長期金利について、たとえば10年国債利回りが2.0%近辺に貼りつき、まったく上がっていないからだ。

内外の株価は当面、現在の悲観の行き過ぎから、経済や企業収益が指し示す水準に向けて回復しようが、下に行き過ぎた市場が上に行き過ぎることも、しばしば生じる。年央に買われ過ぎの状況が強まった場合、「1月の騒ぎって、何だったっけ」といった投資家心理になっている可能性も否定できない。その時に、「米国株価が大きく上昇したのは米景気が強いためだ、であれば長期金利が上がってもおかしくない」という局面に進むことがありうる。

米金利を巡る「騒ぎ」が「懸念」になる展開

米連銀がコントロールする短期金利は、現状で急速に引き上げられることはありえない。今年の利上げの合計幅は1%をはるかに下回るだろう。しかし米長期金利は、市場が決める。債券市場においても、行き過ぎはありうる。米景気に対する楽観論が広がり過ぎると、10年国債利回りが、短期間に一気に1%幅以上上がる展開も否定はできない。

資産運用や実物経済に与える影響は、短期金利より長期金利の方が圧倒的に大きい。長期株式投資と比較する金利は長期金利が基準となるし、企業や家計の借り入れ金利も短期より長期連動だ。長期金利が跳ね上がれば、その影響は連銀の利上げどころではない。つまり、足元の米金利を巡る「騒ぎ」が、今年後半には本当の「懸念」になりうる。

以前、当コラムでは、日本株の2016年の見通しは、年央髙、年末安だと述べた。そこでは参議院選挙や2017年の消費増税(再延期の可能性は残るが)を、そうした相場見通しの背景要因として挙げたが、米長期金利波乱の可能性も、それに加えたい。

ただ、国内株価が、年央に向けて上昇した後、年末にかけて再度調整色を強める、というのは、少し先の話だ。当コラムの読者におかれては、「そう言えば1月に馬渕さんがそんなことを言っていたかな」と心に置いておくにとどめていただき、今後の当コラムでは、当面一週間ごとの動向を中心に、一歩ずつ進みながら述べていきたい。

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