白河:そうそう、そこにはまだ、役割分担意識から来る抵抗感がある。それはもちろん、私にもある。本当は「まったく仕事をしない」わけでも「ぶら下がる」わけでもないんですが。
そういう抵抗感があるのは、決して悪いことじゃないんです。ただ、あるってことがわかっているのと、そうでないのとでは違います。むしろ「ないんです」って言い切る人は、あんまり信用できませんよね。
よくいるじゃないですか。「女性の活躍を応援しますよ!」と言ってるのに、自分の奥さんは専業主婦で、「やっぱり女性には子育てをやってもらわないとね」って思っている人(笑)。
太田:日本企業の管理職以上の男性の奥さんには、専業主婦が圧倒的に多いですもんね。たとえば、私が主宰する「営業部女子課」では、大手でもいまだに女性活用が遅れている不動産や自動車業界の一部で、夜の10時からロールプレイングの訓練が始まったり、「売れるまで帰ってくるな」みたいな指令があったりするという話を聞きます。
「家事ナシ前提」でないとムリな職場も
白河:まだまだそういうところがあるんですね。だから女子大生が営業を嫌うんですよね(笑)。
太田:そうなんですよ!
白河:営業こそがこれからの時代にいちばん求められている仕事だと、太田さんがずっとおっしゃってるし、私もそう思います。就活を見ていても、女性が好みそうな内勤的な仕事こそ、ほとんど早稲田とか慶応の有名大学の子に取られちゃう。優秀な子たちも、そろそろ補助的な仕事を志望するのを辞めた方がいいんじゃないかと思います。
とはいえ、営業という仕事の現状はどうかというと、厳しいノルマをこなすため長時間労働が当たり前の、マッチョなスタイル。家のことを何もしないという前提じゃないと、成り立たないですよね。
太田:だから彼女たちって、3年までは何とかがむしゃらに働けるんですが、だんだん「私、何やってるのかな」っていうふうになってしまいがち。職場と家の往復だけで毎日が終わって、毎日コンビニ弁当を食べて、「私の人生はこうじゃないはずだ」って思って、離職してしまうんですよね。
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