31歳外銀エリートの恋愛観は自信たっぷり

東京の「婚活事情」最前線<2>

だが、捨てられたのは聡だった。美優はほかの男の子を身ごもり、幸せになっている。2年もの間、最高の恋人同士だったのだ。ショックは想像以上に大きい。しかし彼女はもう二度と戻ってこない。去年のクリスマス時期は、同じ丸の内に勤務する美優と一緒に、この仲通りの美しいイルミネーションを何度も眺めていただろう。

年が明け、聡は昇進した。年収もさらに増えた。

聡がその気になれば、ハイレベルな女をいくらでも落とせるだろう。東京は魅力的な女であふれている。女に捨てられたからといって、この男の市場価値が下がることはない。むしろまだまだ上がり続ける。

超エリートの聡が、敗北感を味わった理由とは

プライドの高い聡が失恋の弱音を吐くことは一度もなかったが、聡は適当な女と軽く遊ぶ気にも、本気になる相手を見つける気にもならず、ただ仕事や趣味に集中している。

仕事はうまくいっている。自信のある聡には仕事のストレスもない。

30代前半の超エリートとして東京の中心で何不自由ないぜいたくな暮らしを、自分の思う最高のライフワークバランスとしてこなしている。このレベルの男は、日本で0.1%にも満たないかもしれない。しかしそれが故に、聡は美優と支え合う人生を考えもしなかった。

男というのは、本来女を喜ばせることに生きがいや幸せを感じる生き物だ。聡は自分のスペックの高さに踊らされ、美優を失い、彼女を幸せにする役割も失った。

失ったものの大きさに後から打ちのめされる男は多い。自分中心でしか関係を考えられなかった聡は、実はただ幼かっただけなのかもしれない。

合理的な考え方や人生設計はもちろん悪いことではない。だが、恋愛、そして結婚は人間関係である。時には感情に流されリスクを取るという勝負も人生には必要なのだ。感情を完全に無視することはできない。

今の時点で聡は「敗北」と言えるが、このハイスペックな男が今後どのように成長しどのような生活を手に入れていくのは興味深い。

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