31歳外銀エリートの恋愛観は自信たっぷり 東京の「婚活事情」最前線<2>
「彼女は結婚考えたいみたいだけどね。でも、もう30過ぎで年頃だから結婚すべきみたいな流れに正直乗りたくないよ。結婚って男にとって責任だけじゃなくてリスクをとることでもあると思うから、仕事もプライベートも充実してる今、わざわざしようとは思わないな。彼女も理解してくれてるよ。いつかもし結婚するなら彼女とするだろうし。」
お互い愛し合い一緒にいて十分楽しく満たされているのだから、今結婚する必要もないという。今が最高のライフスタイルなのだそうだ。
「2年付き合ったから次は結婚……なんて、そんな簡単に一般論だからって決断する気ないな。彼女が離れていかないか? まぁ、もし彼女が離れるなら止めないよ。彼女の人生だし。別れないように結婚するっていうのも、抵抗あるしね。」
この男は本心を語っている。悪気もきっとないのだろう。ただ本当にそういう考え方なのだ。
だが30歳を迎えた女にとって男のこのスタンスがいかにつらいものか、この男は考えない。結婚願望のある女を自分から手放すこともしない。彼女のことは愛している。でももっと愛しているのは自分自身だ。
聡に突然訪れた冬の季節とは…
数カ月後、イルミネーションで飾られた冬の仲通りで再び再会した聡は、相変わらず身だしなみには隙がなく、マッキントッシュのコートを完璧に着こなしていた。しかしその爽やかな笑顔は薄く、鋭さが目立っていた。疲れが顔に出ている。