EV電池に必須の「リチウム」の確保は大丈夫か 脱炭素のカギ握る資源をめぐる大問題

リチウムの資源量は豊富にある
――EV向けなどリチウムの需要は拡大しています。資源が不足する心配はありませんか。
リチウムの埋蔵量は約1億1100万トン(炭酸リチウム換算、以下明記ないときは同様)とされており、現在の生産規模を前提にすれば200年以上分ある。銅などは数十年分なのでリチウムはかなり豊富にあるといえる。
今後の需要は何倍にも増えるだろうが、一方で埋蔵量にカウントされていないボリビアなどにも資源がある。ボリビアのリチウムはチリなどと組成が異なるため現状の技術では回収効率が悪く、政情不安の問題もあるためカウントされていない。それでも資源量そのものにはそれほど心配はいらない。
――近年の需給動向は逼迫していますか。
リチウムの年間生産量は2017年に約30万トンで、2018年が約40万トン。オーストラリアの鉱山が立ち上がったこともあり2019年には約45万トンと順調に拡大している。2020年はコロナもあって2019年とほぼ同じ水準だった。
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