テスラに日本企業がついていけない決定的理由 パナソニックもテスラも知る男が語り尽くした
「テスラに対する大方の予想は見事に外れた」
――パナソニックがテスラに出資したのは2010年のこと。当時のテスラはまだ新興のベンチャー企業でした。
当時、テスラが成功するとは誰も思っていなかった。もちろん今もテスラに半信半疑の人はいるが、当時は10人中10人が「うまくいくはずがない」と答えたことだろう。それでもパナソニックがテスラと組んだのは、同社のような成長のポテンシャルがある企業と組むという外的刺激によって、パナソニックを成長させようと考えたからだ。
結果的に、テスラに対する大方の予想は見事に外れた。ギガファクトリーは立ち上げから2年で軌道に乗り、EV(電気自動車)の販売台数は2019年に37万台弱まで拡大した。途中、テスラがモデル3の量産に苦しむなどのスケジュール遅延はあったが、イーロン・マスクCEOが2006年に掲げたテスラの経営目標「マスタープラン」は、今見てもまったくブレていない。
――テスラの凄さとは?
イーロンという個人のカリスマ性もあるとは思うが、会社のミッションが明確で皆が一丸となって目標に向かっている点だろう。私がテスラで働いた期間は本当に面白く、退屈しない2年間だった。経営者として勉強させてもらうことがたくさんあった。
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