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丁寧な仕事のヘルパーが報われぬ介護業界の歪み 「あなたはクビだ!」利用者は思わず叫んだ

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ホームヘルパー業界のイメージイラスト
(イラスト:北沢夕芸)
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読者のNさんから、驚くべき投稿をいただいた。そこにはヘルパー(訪問介護員)への怒りが綴(つづ)られている。

「利用者(妻)をベッドから落下させたまま去り、床に長時間放置」

うむ。ここまでなら、たまたま起きた事故かもしれない。

ここからがすごい。

「問題を指摘される気配を察知するや逃亡。報酬を得ているにもかかわらず、誠実に仕事をしない」

なるほど。ヘルパーが現場から逃げてしまったわけだ。

ってどこへ? そう思って読み進める。

「事業者も監督官庁に(問題を)隠蔽する」

あー、なるほど。要するにヘルパーが所属する会社(事業者)の元に逃げ込む。で、Nさんは、自治体にまで相談したが、事業者はヘルパーを表に出さないわけだ。

Nさんは60代の経営者。

うーむ、ここまで追及するとは、ただ者ではない。すぐに連絡をとって、彼に会った。

彼は土地の災害リスクを判定するエキスパートだった。

「私だって経営者ですから、業界環境が厳しく、ヘルパーの給料が低いことは理解しています。でも、だからといって仕事を適当にやっていいことにはなりません」

はい。その通りっす。

要するに、Nさんは職人気質(かたぎ)である。だから、仕事の粗(あら)がよく見える。全国各地から調査の仕事を請けて現地に出向く。繁忙期には学生バイトを使うが、仕事の甘さが気になるという。で、今はできるだけ一人で仕事をしている。

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