プレスバターサンドが「人気菓子」となったワケ

すべてが「逆張り」のブランドコンセプト

なお、プレスバターサンドは国内の工場にて生産されているが、東京駅、博多駅の工房一体型店舗では、食べ歩きができる焼きたて商品を販売。これについては、原料の生地やクリームは工場にて仕込み、焼き上げは工房のプレス機にて手作業で行っている。

生地をプレス機にかけて熱と圧力を加える(筆者撮影)

撮影に赴いた当日は12月24日のクリスマスイブとあって、同店舗の前にはひときわ長い行列が形成されていた。

「1ブランド1プロダクト」を方針とするBAKEが有するブランドはチーズタルトを始め、シュークリームの「クロッカンシューザクザク」、焼きたてカスタードアップルパイの「RINGO」など計8ブランド。

いずれも、創業者である長沼真太郎氏が提唱した、「8割主義」「デザインによるブランド価値向上」「五感に訴える購入体験」を掲げ、成功してきたブランドである。

8割主義とは、「8割の人が知っている商品かつおいしいと思う味わい」、具体的には、素材そのものを生かした素朴な温かい味を指す。BAKEではその味を元にブラッシュアップを重ねながら、独自の味を目指している。

五感で楽しめる店舗づくり

また、パッケージを含むブランディングは社内のデザイナーが担当、店舗のインテリアデザインは外部の若手アーティストを起用することもあり、存在感をアピール。工房一体型店舗のように、視覚、嗅覚など五感で楽しめる店舗づくりを目指す。

化粧箱が並ぶ店内。工業的なデザインのためか、活版印刷の作業場のよう(筆者撮影)

その中でプレスバターサンドは売り上げトップを誇るブランドだそうだ。ギフト菓子であり、東京駅という、移動・観光の中心地にてスタートできたことも急成長の大きな理由となっている。

このように説明すると、まるで順風満帆で成長してきたかのように思える同ブランド。しかし、「当時はオープンの日を迎えるまで、胃がキリキリしていた」と、当時のストア運営責任者を務めていた、BAKE代表取締役副社長の近藤章由氏は振り返る。

「当時は製造が追いつかないことも。事業が軌道にのるまでには半年ぐらいかかりました」(近藤氏)

プレスバターサンドも大きく変わったが、実はBAKEそのものも、この2年半のうちに二転三転の変化を迎えている。

2017年8月に、投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループを筆頭株主に加え、社長も交替。現在代表取締役CEOとして就任しているのは、B-Rサーティーワンアイスクリームでの経歴を有する門田浩氏だ。

近藤氏によると、「その都度の企業フェーズにふさわしいノウハウを持っている人に委ねている」とのことで、長期的な計画に基づく代表交替だそうだ。

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