また誰だって、自分の意思と関係なく何かを強制されるのは嫌なものです。そもそも入るかどうか聞かれてもいない団体の活動ですから、当然いやいや参加する人が多くなり、PTA活動が嫌われる根本原因にもなっています。
名簿の流用はアリなのか?
ではなぜPTAは、入会申込ナシで会員を獲得することができるのでしょうか? それは学校側からPTAに、児童や生徒の名簿が渡されているからです。
学校とPTAは全く別の団体ですから、実は名簿の提供・流用は当然やっていいこととは言えません。個人情報保護法に違反してしまいます。逆に言えば、名簿という個人情報が適切に管理されていないからこそ、参加強制の問題が起きているともいえるのですが。
ただし最近は、そういった問題が徐々に学校やPTA関係者の間で認識されてきて、状況が変化しつつあります。
もし何か問題が起きた場合、学校やPTA執行部(本部役員)が名簿の無断流用について責任追及されることは間違いありません。ですから、そのような事態になる前に、なんらかの形で保護者から入会申込みを集めておこう、と考えるPTAが増えているのです。
筆者がここ1年ほどの間に聞いた、いくつかの例を紹介しましょう。
6年前から、年度初めに「入会のお願い」という用紙を配るようになりました。用紙に「入会する・しない」の選択欄はなく、「用紙の提出をもって入会と扱います」という形です。
きっかけは、当時の保護者から「強制加入はおかしい」という声が寄せられたことでした。そこで、この保護者、PTA執行部、学校、教育委員会が何度も話し合いをした結果、「全家庭に入会申込書を配る」という結論に至ったそうです。
なお、これを機に教育委員会が区内の全小中学校に通達を出したため、同区内でその後もう1校、PTA入会申込書を集めるようになったということです。
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